国民の食と農やくらし、いのちを考えるセミナー(第3回)

「食料の安全保障を考える福岡県民ネットワーク」主催(福岡県生協連加盟)の、標記セミナーが2019年8月25日(日)10時から13時、福岡サンパレスホテルで開催され、協同組合関係者、一般も含め230人の多くの参加者が集まりました。

基調講演では、小松泰信岡山大学名誉教授の「食と自然(農業・漁業・林業)が育むくらしといのちを未来につなぐ」テーマで、小松教授の率直な意見も踏まえ貴重なお話が聞けました。

まず、食糧自給率37%の低さに触れ、このままでは兵糧攻め(気候変動による世界的減産による食糧危機や経済パニック)にあうと日本はひとたまりもない。「自給は国家の自衛のための政策」という福田康夫元首相のメッセージを、我々に伝える警句であると。第一次産業が置かれた状況は、非常に厳しく、政府の政策は、第二次産業、第三次産業の論理を第一次産業の政策にも適用するものであり、それは、成長産業化と大規模・法人経営優遇への移行の政策であること。この政策では、日本の第一次産業は、継続発展はできないのは明らか。そのことを一番わかっているのは、第一次産業の組合員なので、もっと教育(学習)運動を展開し、当事者意識を醸成し、継続した行動を起こしていくことが必要。超高齢化社会を生き地獄としないために、食といのち、くらしを守り生活の質(QOL)を高めていく協同の力を大きくしていくことが必要との趣旨で、力強く、この会の継続を願うとのエールを送られました。

第二部では、小松教授のコーディネートで、農業、漁業、林業、消費者(福岡県生協連より、エフコープ生協 組合員理事 と グリーンコープ生協ふくおか 理事長)のそれぞれのパネリストが登壇し、現状や、さまざまな取り組みを出し合う意見交換が行われました。

当ネットワーク 倉重会長の挨拶

基調講演をされる小松泰信氏

パネルディスカッションのパネラーの方々