2024年度 福岡県生協連役員研修会報告

2024年12月11日(水)から12日(木)、一泊二日で鹿児島県生協連様を福岡県生協連役員(理事・監事)9名で訪問しました。

鹿児島県生協連 東垂水専務理事には、今回見学先として訪問した奄美大島の奄美医療生協との調整や現地ガイドさんの紹介など研修の同行も含め大変お世話になりました。お礼申し上げます。

今回の研修の目的は、来年戦後80年という節目の年を迎える中で歴史を学ぶことと、東アジアの地政学的リスクに対する南西諸島への自衛隊基地の増強などの実情を知ること、そして2021年7月に世界自然遺産に登録された奄美大島の草の根的な活動について考える研修としました。

一日目は、空港近くの海岸や岬を見学し、小動物や植物などを観察する中で在来種の保護や亜熱帯と熱帯の混合した本土とは違う環境を実感しました。奄美自然観察の森では、これまでの国立公園にはない「生態系管理型と環境文化型の二つの新しい考え方に基づいて保護管理されている」ことを実感しました。奄美市名瀬にある陸上自衛隊奄美駐屯地の地域との問題については、奄美自衛隊ネットの方から「説明責任が果たされることなく、環境破壊や基地問題の不安の中で生活する」お話を聞くことができました。

二日目は、奄美大島南部の第二次世界大戦の戦跡が多く残る瀬戸内町を中心に富山丸供養塔、海軍航空隊基地跡などを見学し、手安弾薬本庫跡では、弾薬が保管されていたトンネル(構造は要塞のような立派なもの)内に入り見学しました。地域の住民は戦争中、その存在を知ることなく終戦後に弾薬を海に捨てる作業で初めて知ったそうです。

午後からは、日本国内では西表島に次いで2番目に大きなマングローブの森やモダマの自生地を見学しました。

奄美大島では、生物多様性戦略として、「希少種」の保全などに向けて戦略を策定して、取り組まれています。しかし環境破壊は、開発という人間の手で今も進んでおり、サンゴ礁も減少してきているとのことでした。

今回の訪問では、自然と共生する社会の実現を目標に育成された「エコツーリズム認定ガイド」の方に案内していただき、多くの学びがありました。

手安弾薬本庫にて

モダマ自生地

大島紬村

奄美自然観察の森にて